浮世絵の夏 ―納涼と花火―
平木浮世絵美術館
2013年
展覧会図録
江戸時代の人々は、自然や日常の暮らしの中に、季節の移ろいを敏感に感じ取っていました。
旧暦で夏とされていた4月~6月、冷房のない時代の事、涼を求める人々は水辺へと繰り出し、夏の名所は川や海などの水辺にありました。
江戸の両国では川開き以降毎夜花火が打ち上げられ、夏の夜空を彩っていました。賑わいを見せるこの風景を、国貞、国芳、広重等の人気浮世絵師が筆を競って描いています。
また、納涼に出かける人々は、デザイン性豊かな浴衣を着ておしゃれを楽しみました。手に持つ美しい団扇も、涼しさを演出する必須アイテムでした。
江戸の人々が工夫を凝らしつつ楽しみながら夏を過ごしていたことが、浮世絵に描かれた情景からうかがい知る事ができるでしょう。
<論考>
両国の納涼 …佐藤光信
四条河原の夕涼み …廣瀬千紗子
<図版編>
納涼
花火
四條河原
浴衣
団扇
団扇絵
版本
<資料編>
江戸編
京都編
<作品リスト及び作品解説>
両国コラム①打ち上げ花火の構造
両国コラム②両国の見世物小屋
2,000 円